VSeeと研究のこと


こんにちは!ひよりです(^^♪先日ricocoが紹介していたおいしいものたちを一緒にシェアハピしていた者です笑

 今回は先日参加させていただいたカンファレンスと研究について書きたいと思います。前回の内容を薄くしすぎたため、今回は長くなるかもですが…お付き合いいただけたらと思います( ;∀;)


1.Telehealth secrets 2018

 先日、遠隔診療に関するカンファレンスにボランティアとして参加させていただきました。


VSeeについて

 このカンファレンスを主催している、VSeeという遠隔診療プラットフォームを開発した企業についてご紹介します!VSeeは2008年に2人のStanfordPhDによって設立されました。Make telehealth an everyday experienceをミッションに掲げ、VSeeを開発・展開しています。ビデオチャットと遠隔診療の技術はNASAにも採用され、国際宇宙ステーションで利用されているほか、オバマ前大統領の就任式やヒラリー・クリントン氏の難民支援活動、1000以上の医療機関等で利用されています。

 つい先日、CEOMiltonさんが、日本で開催された1st Well Aging Society Summit Asia-Japanに出席され、ピッチコンテストでグランプリを受賞されました☆このサミットでは、コンテストだけでなく、世界から有識者や企業、官公庁等が集まり、超高齢社会に対応すべく議論を行われました。以前から、VSeeを日本の在宅医療の現場で活用しよう!というプロジェクトが進んでおり、それに関わらせていただいているご縁で今回のカンファレンスに参加させていただくことになったのでした。



 
 VSeeには大きく分けると、ビデオチャットによる診療やテキストチャットが可能なVSee Messengerと、診察予約や医療者間での情報共有などをスムーズに行うVSee Clinicの2つのサービスがあります。(これだけではない!)また、血圧計などの複数の医療機器と連携していて、遠隔操作が可能なカメラ(例えばスマホに取り付けられる眼科診察用のカメラ)を使用し、その映像をリアルタイムで遠隔地にいる人と共有することもできます。

書き込みをしながら複数人で画面共有が可能
実際に使ってみましたが、他のアプリに比べて画質と速度が格段に良いです!
アプリをダウンロードすると誰でもビデオ通話用に使えるのでぜひ(笑)

遠隔から機器を操作しながらビデオ通話


カンファレンス当日

 カンファレンスの前日には、準備のお手伝いをした後、カンファレンスのスピーカーが集まる夕食にも参加させていただきました。スピーカーとして参加されるのは企業のCEOVPFounderなどなど…普段出会うことのない方々ばかりでしたが、とりあえず話しかけてみたりして…!!自己紹介となぜここにいるのかの説明だけがどんどん流暢になるのですが、きちんと日本の医療制度と課題を自信をもって正しく説明できるようになっておくべきと痛感しました。ご存知のように日本とアメリカではかなりシステムが違うため、「日本ではこうなんですよー」とお話しすると、想像以上の「えΣ(・ω・ノ)ノ!」が返ってくることがあり、もちろんその逆もあって、とても勉強になりました。

 カンファレンス当日は、受付で参加者をさばいたり、会場の最前列でタイムキーパーとしてスピーカーに眼力を送りまくったりしつつ、VSeeのチームの皆さんと連携して動き回りながら、時間を見つけてはプレゼンを聞いていました。このような場での英語は当然使い慣れていないので、他のスタッフと参加者のやり取りを見て言い回しを覚えて真似することの繰り返しで、どうしようもないときは気合いで何とかしていました(笑)
なぜか直前にトロフィー授与の助手に任命され、トロフィーをCEOのMiltonさんに
そしてそれが世界銀行Director of HealthのBrian Daveyさんの手に!!


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 ”telehealth"という限られたテーマのように見えて、実にたくさんのstakeholderが関わっていることがスピーカーの多様さからも見て取れました。プレゼンの内容もtelehealthの技術についてだけではなく、AIやロボットなどの最新技術、医療者側への利益、資金調達、コンプライアンス、法規制、ビジネスモデルなど本当に多岐にわたり、telehealthへの注目と期待度の高さを感じました。また、私の勝手なイメージで、こういった場は男性ばっかりかと思っていましたが、今回のカンファレンスでは参加者もスピーカーも女性が想像よりずっと多かったことも印象的です。このように運営側を知る経験がなかったため、どのように全体が回っているのかを見ることができた点でも勉強になりました。

 関わらせていただくことになったのはご縁があってのことで、実は以前からこのようなヘルステックに興味があったわけではありませんでした。しかし、カンファレンス前に日本の在宅医療の現状や展望を調べたり、現場で働いている方のお話を伺ったりして、解決すべき課題がたくさんあることを知り、カンファレンスを通して、政策面の介入だけではなくテクノロジーの果たす役割も大きいんだろうなと、前より実感を伴って感じています。

 特に、こういった技術によって作業効率が上がり、医療従事者(医師だけではなくて看護師、介護士、薬剤師、歯科医、栄養士などなどみんな!!)にとって働きやすい体制になれば、出産などで離職してしまった方もその職を活かして復帰できるかもしれないし、介護する家族の負担も軽減されるかもしれません。将来、女性の健康や活躍に貢献できるような仕事がしたいなと考えているのですが、それにも少し繋がるのかも…!(^^)!と思っています。

 また、驚いたことに、このVSeeという企業はオフィスのないリモートカンパニーです。世界各地にいるメンバーが遠隔でやりとりをしながら、こんなに大規模な事業をやっていると知り驚きました!!実際に働いているメンバーの方々も、働きやすい環境だと思うと仰っていて、働き方という点で会社のミッションを実践されている点でも、素敵な会社だ!!と思ったのでした。

 今後はVSeeの日本展開に向け、動いていくことになります。
最終日にボランティアで撮ってもらいました!

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2.研究について

 私がやっている研究は公衆衛生分野、特に母子保健に関する研究です。具体的なテーマとしては、近所の環境が産後うつに与える影響についてです。何のこと⁇と思われるかと思いますのでもう少し詳しく。

 今や日本のお母さんの10%以上が産後うつになると言われており、それには、婚姻状況、お母さん自身の健康状態、パートナーのサポートなどなど…様々な要因が関係していることがわかっています。でも、住んでいる場所の近所の環境、例えば、近くに公園やスーパーがあるか、歩道は整備されているか、といった要因については研究がされていないっぽい…!!ということで、そういった近所の環境が産後うつに影響しているかどうかを統計学的に解析するのが私の研究です。

 統計ソフトに「これとこれをこうやって計算してね!」という指示を打ち込むと結果はすぐに出てくるのですが、どんなテーマにするか、どうやって解析するかを考えるためにひたすら論文を調べる、結果が出たら論文を書くためにひたすら論文を読む、解析を時々やり直しながら論文を書くという感じです。

 統計ソフトを全く使えない状態からのスタートなので、日本で3か月研究を進めてから来ていなかったら、本当に何もできずに留学生活を過ごしていたと思いますが、どうやってソフトを使うのか、わからない時にどうしたら良いのかが多少分かった状態で出発できたので、もちろんこちらの研究室の方に助けていただきながらですが、何とか生き延びています。私は、私が使っているマルチレベル解析という解析方法に詳しいとても優しい韓国人の方にお世話になっていて、直接お会いできるのは月に1, 2回くらいですが、がつがつメールで質問したり添削していただいたり、スーパーバイザーにもメールで相談しながら研究を進めています('◇')ゞ

 今は論文を一応書き終え、その下書きを添削していただいている間に、次のテーマを考えてスーパーバイザーに相談しているところです。あと1か月弱でどこまでできるかわからないですが…頑張ります…!!

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 どうしてこのテーマになったかについて少し。2年の冬に3年生から通う研究室を探していたところ、今お世話になっている医科歯科の研究室について教えていただき、母子保健分野の研究をしていると知りました。ここならやりたいことに繋がりそうな研究ができそう!!と思い、お世話になることにしました。実は今やっているようなテーマで研究することになるとは思っていませんでしたが、産後のお母さんの健康に住んでいる地域の環境がもし影響しているなら、何らかの介入の提案につながる結果を提示できそう!と思った(のと、今考えれば医学部を目指す前は建築や都市開発などの分野に興味があったので結果オーライということで笑)のでこのテーマになりました(^^♪
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おまけ

 ボストンの紅葉がシーズンを過ぎ始めたくらいになったのですが、なぜか同じ木でも局所的に紅葉が進み、バイカラー状態になっている木が多い気がします(笑)
Boston Commonにある、多分メープルの木



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