結局留学ってどうなのよ:ボストン留学を終えて


誰よりも早く出国し、誰よりも遅く帰国するMIT派遣生のろぶすたーです
投稿サボっててごめんなさい!

留学を終えるにあたり。


ボストンは短い秋が終わりに差し掛かり、ここから長い長い冬が始まります。

帰国にあたり、本派遣最後の記事とさせていただきます
この派遣が内定したのは11ヶ月前、12月の半ばに差し掛かる頃だったかと思います。メールが来たのは確か朝の9時か10時で、ああやっと解放されたのだなと思っていたのもつかの間、部屋探しもVISA探しもなにもわからないなか、気づけば出国の日を迎え、なんやかんや(あまりにも雑なまとめ方ですね)で170日が経ち、11月になり、帰路につこうというところです。

留学を終えた感想としては、このタイミングで6ヶ月もの間ボストンにいることができたこと、大変に有意義でしたし、心から「留学してよかった!」ということができます。

在学中の留学については、大学や政府が積極的に推奨している一方で、そのコスト(準備の大変さや資金)に見合った収穫があるのか?といった疑問や、多くの留学体験記が実際どのような点で価値があるのか具体的な記述に乏しい(一皮剥けました、というような表現で片付けられるものも多い)という意見もあります。

そこで、今回は自分が留学してよかったことを客観的に書こうと思います。とは言っても自己分析の結果なので主観0ではありませんが、中立的な立場を心がけます。

留学のいいところ


「みんなの流れ」が消失するので意思決定力が上がる
これは一人での派遣だったということもありますが、誰かに合わせて物事を決めたり、みんなと同じでいいです!というような意思決定であったりは激減します。自分で何をするのか、どれがいいのか、常に考えなくてはなりません。現在の我が国の医学部を見ていると、みんなと同じように勉強して、みんなと同じ試験に受かっていくことが何よりも重要視されています。もちろんそれも大変重要なことで、それができていないのはダメですが、自分で自分の意思を尊重しなければいけない環境は貴重でした。

一人の時間が長くなる、自分の人生を考える
高校生の頃から受験勉強、大学に入ったと思ったら毎日のように授業で、昨年度に至っては毎週試験があって、その場その場をしのいできた大学生活でした。ここで一旦立ち止まって自分のここまで、今、これから、を考える時間が作れたこと。


一流の友人との出会い
これは派遣先にもよりますが、ボストンへの留学は「一流との出会い」に溢れていました。一流の学生、医師、研究者、ビジネスマン……。一流で、第一線で活躍される方々の話を聞くことでその分野について今までの偏見を解くこともできますし、逆に興味のわかないものを見分ける力もつきました。「真実を見分け、自分の考えを持つ子供」などというスローガンを掲げた小学校がありましたが、まさにそういった意識を強く持つことができました(子どもじゃないけど笑)。また、こちらが相手を一流だと思っているように、話している相手もこちらをリスペクトしてくれる雰囲気があったのもよかった点です。

人によっては留学のクオリティを下げそうなもの


△ある程度の精神的な頑丈さが必要
海外で生活すると、色々と約束されないものが増えます。例えば僕の場合、1ヶ月後の住居が未定という時期があったりしました。共同研究者が期日をあまり守らない人だったり、指導教員が何かと雑/テキトーだったりすることは多いです。きっちりと計画されたものが計画通りに進むことを好む人や、目上の人に意見・お願いすることがものすごく苦手な場合、苦しいこともあるかもしれません

△プライバシー
上の項目の一つになるかもしれませんが、シェアハウス暮らしをしていたため、他者の存在を意識しながら暮らすのが苦手な方にはつらいともあるかも知れません。特に玄関の鍵をかけずに出かける隣人などが許せないタイプだと、かなりイライラすると思います。

△衛生環境
些細なことですが、公共で綺麗なトイレが存在しているというのは恐ろしいことです。多少の汚さを許容する心がないと滅入ってしまうかなと思います。特に水回り。

と、こんな感じでしょうか。僕自身にしてみると、△の項目についてあまり気にならない(すぐ慣れる)タイプだったので、楽しめた。という感じです。



「おめでとう、間違いなくこの派遣がプロジェクトセメスターの正解選択肢だよ」

派遣が決まった直後の僕に誰かがかけた言葉です。滞在中はいろいろなことがあり、大学に対して不信感を持つような時期もありました。しかし、多くの人に助けられ、運にも恵まれ、文字通りsurviveしたこの滞在を振り返ると、少なくとも僕にとってはこの派遣は正解の選択肢だったと自信を持って言えますし、自分の選択を最高の選択にできたという点で、自分を褒めてあげたいなと思う次第です。もちろん、大学を許したわけではありませんので、関係各位におかれましては勘違いなさらぬよう。

単位を失う(休学等の手段を取る)ことなく6ヶ月間もの間海外に滞在できる経験、少しの間だけ自分が「日本の医学部生」であることを忘れ、数十年後の世界のエンジンの中心で動く多くの人間のうちの一人として、広い視野の中で自分を捉える経験ができたことは何よりの成長です。厳密な観点では留学が100人中100人を幸せにするかどうかはわかりませんが、仮に6ヶ月日本を離れて「日本以外に適応できない!」「海外大嫌い!」という感想になったとしても、それに20代の前半で気がつけることに大きな価値があるのではないかと思います。多くの大人が口にするように、年齢を重ねるごとに自分だけの人生を歩むことは難しくなり、自分のやりたいことのために犠牲を払わねばならない状況が増えるというのは事実だと思います。限りなくリスクが小さい学部4年のタイミングを利用して、より多くの後輩諸君がpreciousな経験をすること、その機会が可能な限り広く与えられることを心より願っております。



最後に

 本派遣は、重光教授をはじめ多くの大学関係者の皆様のお力添えで実現したプログラムであることは確かです。3月に開かれましたMITと本学の合同イベント(Datathon)には、吉澤学長および田中副学長にもお越しいただき、大学をあげてMITとの関係を構築してくださったこと、心より感謝申し上げます。来年度はこの派遣がなくなってしまいますが、またいつの日か復活することを祈っています。

 貴重なプログラムを経験させていただいたことに感謝しつつ、自身の成長を学内外、国内外に発信し、世界の医療をリードする人材となるべく、今後も努力する所存でございます。ありがとうございました。




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