イギリスの秋

ユニオンジャックを見るとついカメラを構えてしまう

お久しぶりです。インペリアルカレッジロンドン派遣生のてっつんです。5ヵ月は長いよなぁと思っていたはずなのに気づけば残り1か月切りました。佳境です。モラトリアムがまだ欲しい。

今私はといいますと、自分のパソコンが壊れSparidaeにパソコンを借り、日本語キーボードのありがたみを噛みしめているところです。

思えば、新年最初に行った弓道の自主練から「今年1年はそういう年である」と決まっていたのかもしれません。


 1月5日、私は軽い気持ちでハーゲンダッツのカップの裏に「大吉」と「大凶」の文字を書き、28m(的までの通常距離)離れた場所に的の代わりにそれらを置きました。弓道おみくじなるものです。


結果は御覧の通りです。
悔しいので、「大凶」を外し「大吉」だけを残してまた弓を引きました。
バチが当たったのかもしれません。

2月、水道橋のバッティングセンターでスマホを盗まれました。
7月、留学して最初の旅行先、ポルトガル・リスボンで財布を盗まれました。
9月、日本から送ってもらった冬物のコートが行方不明になりました。
そして10月、留学先でパソコンが壊れました。

しかし、生来悪いことがあってもあまり気にしない性格なので、「悪いことって1年でこんなにも起こるんだなぁ」とどこか感心していました。ただ、スマホ、財布を盗まれたことに関しては、「もっと注意力を持った方がいい」と昔から言われているので今後は気を付けて行動したいです(残るはパスポートかなぁ…)。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は、
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1.「まったく!!!!いい人生だった!!!!」
2.霧の都ロンドン、雨の国イギリス
3.明けない夜はない
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の3本立てでいきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。

1.「まったく!!!!いい人生だった!!!!」
 突然ですが、みなさんは『ONE PIECE』を読んだことがありますか?タイトルにある言葉は、『ONE PIECE』に出てくるヒルルク(麦わら海賊団船医・チョッパーの父親的存在)の、最期の言葉です。不治の病に冒されていたヒルルクをなんとかして治したいチョッパーは、猛毒を意味するドクロのマークがついたキノコを、命懸けで採ってきます。チョッパーはドクロのマークを“信念”の象徴だと信じていたからです(ここらへんは実際に読まないと理解できないかも。『ONE PIECE』16巻をぜひ)。不治の病を治したい一心で傷だらけになりながらキノコを採ってきてくれたチョッパーに胸を打たれたヒルルクは猛毒と知りながらそのキノコを食べます。そして、チョッパーのせいで死んだと思わせないために、最期はタイトルにある言葉を叫びながら、爆薬を飲んで死にます(説明むずい。『ONE PIECE』16巻をぜひ)。あとからドクロが猛毒を意味すると知ったチョッパーは、後悔の涙を流しながら自分が世の中の万能薬になるんだと決意し、医者を目指します。

私は、この話を読んで医者になることを決めました、というのは半分嘘ですが、感動的なお話なので、読んだことがないという人がいましたら、『ONE PIECE』16巻をぜひ。

 なぜこのようなことを書こうと思ったかといいますと、自分でもよく分かりません。本当は、先日行われたLondon Surgical Symposiumについて書こうと思っていたのですが、強いて言えば、私の最も尊敬すべき友人の一人がぽつりと述べた「死なないという選択をすることで生きている」という言葉をふと、たった今思い出したからです。トルストイの『懺悔』を読んだうえでの発言だったのか定かではありませんが、彼は頭の回転が早く、物事を深く考えられる聡明な人物です。そんな彼の口から出た言葉に、私は少なからず動揺したことを覚えています。

 基礎、臨床医学と、怒涛のように勉強した2,3年次と違って、自由な時間が比較的多く、またいろいろなバックグランドを持つ人と出会うために、自分の将来について考える時間が何かと多い気がします(将来何になるの?とよく聞かれるからでしょうか)。

以下は、その中で出会った個人的に面白いなと思う、Krumboltz教授(スタンフォード大学、心理学)のキャリア形成論です。

Planned Happanstance Theory: 計画的偶発性理論
 自分が達成したことやそこにたどり着く方法を具体的に考えるよりも、漠然とした目標をもって、正しい方向へポジティブに行動し、かつ行動する際は自信を持つ。そうすれば、成功は自ずと手に入る、みたいな。

 Krumboltz教授がアメリカの社会人に行った調査によれば、18歳時点で自分がなりたいと思っていた職業に実際についた人の割合はわずか2%だったそうで、上記の理論は個人のキャリアの8割が偶発的な出来事によって形成される(らしい)ということに基づいています。最初この話を聞いたときは、なんだほとんど運かと思いましたが、個人的に面白いなと思ったのは、expect the unexpectedです。将来起こりうる予期せぬ出来事をワクワクして待とうと。ラボの人の話によれば、物事をポジティブにとらえ積極的に行動したほうが、物事がうまくいくらしいです。

’ゆっくりと考える時間が取れる’、これもプロセメのメリットといったところでしょうか。
とまとめを試みましたが、いかんせん無理なようです。

はじめ書くつもりでいたLondon Surgical Symposiumの一幕。写真だけでも。 

2.霧の都ロンドン、雨の国イギリス
 年間140日も雨が降ると言われるロンドンですが、最近はその力を遺憾なく発揮してくれています。9月までは雨のために自転車で研究室に行けないなんて日が累計2日だったのに対し、先々週の1週間はずっと雨だったという有様です。かくいうブログを書いている今日も雨です(年1回開催されるJapan Matsuriも雨、せっかく観に行ったチャンピオンズリーグの試合(トッテナムvsバイエルン)の試合も雨、手術見学(後述)の日も雨…)。けれども、年間降水量を見てみると、東京が1528mmに対し、ロンドンは621mmです。つまり、ロンドンでは霧雨が多いのです。なので、イギリスでは傘を差さない人が日本に比べて多いように感じます。私も、イギリス人を真似て傘を差さずに自転車を飛ばしたら風邪を引きました。どうやら"バカ"ではないらしい。

こっちの霧雨はロンドンみがあって、それはそれで好きです。

 私が担当した前回のブログで、ロンドンに来てよかったベスト5を紹介しました。その際、日本のいいところも考えてみたのですが、最初に浮かんできたのが日本の四季でした。もちろん、イギリスにも四季はあるのですが、蝉の音が聞こえない夏を過ごし、日本の四季の中にある小さな素晴らしさなるものに気づかされました。桜が満開の春、うだるような夏の暑さ、エモさしか覚えない秋の紅葉狩り、どれも素敵な季節ですが、私が一番好きなのは、やっぱり寒い日に暖かい部屋でぬくぬくと過ごす冬の1日です。しんしんと降る雪をみるといまだにワクワクする。

公平を期して日本のいいところベスト5も述べておきます。
1位:四季折々
2位:日本の郵便サービス
3位:丁寧さ(日本人の性格やサービスを含めて)
4位:落書きの少なさ
5位:コンビニと自販機(2つ書いてしまった)

 ただ、日本は災害が多いというのも事実です。研究室でも日本の台風大丈夫?と心配していただきます。誤解を恐れず言えば1万キロも離れた小さな島国なのに、心配してくださるその優しさに感謝します。上に書いたような魅力が詰まった日本だから愛されているのでしょうか。日本にいる皆様、どうかご無事で。そして、被害に遭われた地域の1日も早い復興を願っています。

3.明けない夜はない
 月並みな表現ですが、好きな言葉の一つです。私には、「一陽来復」という、人生訓というか信じている言葉があります。冬が終わり春が来るように、”悪いこと”が続いてもいつかは”良いこと”が起こるという意味です。これまでの人生で、なるほど確かにと感じることが多く、そう信じているからこそどこか楽観的になれるんだなと、パソコンが壊れた今の状況を客観視している自分がいます。

今留学できていることもそうですが、今年も"良いこと"ちゃんとありました。

5月、Mr.Childrenのライブ
7月、London Kyudo Society (LKS)の月例会で優勝
9月、所属している研究室の御高名な教授、Prof. George Hannaの胃全摘術(Roux-en-Y法)を見学
10月、イギリス弓道の全国大会、Liam O'Brien Taikai(弐・参段の部)で2位

 特に手術見学は、感動もひとしおでした。教授による手術は、mikanとウーパールーパーの研究室があるHammersmith campusで毎週月曜日に行われています。その日は、胃全摘術を含め3件の手術があり(うち2件は胃癌の診断的腹腔鏡手術)、朝7時40分に集合してから20時まで何も食べていなかった私ですが、人生初めての経験だったので、最後までひたすら静かに感動しておりました。また、途中で、教授が「これは日本で学んだんだよ」とおっしゃった際には、一医学生にすぎない私ですが、日本が世界をリードする医療技術を誇らしく感じました。解剖学的な説明を交えながら間近で見学させてくださった先生には感謝してもしきれません。

 弓道に関しては、毎週日曜日に、LKSの練習に参加させてもらっています。日本での練習のような毎日弓が引ける環境ではなく、地域の体育館を借りて簡易な道場を作るところから始まるロンドンでの弓道ですが、日本を好きだと言ってくれるLKSのメンバーの人たちが、一生懸命弓を引いている姿を見るたびに、嬉しいというかどこか心が温かい気持ちになりました。


7月月例会にて
Liam O'Brien Taikai @ Lilleshall

以上、長々と書いてしまいましたが、このへんで筆をおかせていただきます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは。

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