ガーナ(初っ端だけど旅行記)
地球をまたにかけ、グローバルに活躍する皆さんこんにちは。ガーナ共和国に派遣中の医学科4年邦人男性Yです。
最初にブログの更新が遅くなってしまいすみません。ガーナではなかなかインターネット環境が芳しくなく、また諸々の出来事で忙しかったこともあり、入国から2週間の今になってようやく記事が書ける次第です。
▲ガーナ大学付属図書館の美しい景観でも見て落ち着きましょう。
ちなみに僕は派遣から3日後に激しめの旅行者下痢症を発症し(本当に習った通りの症状でした)、3日ほど動けなくなるバグが発生しましたが、今は元気にやっています。水道水が飲めなかったり、調理器具の衛生環境がわからないって怖いね。今度から僕にパイナップルを振る舞う際は必ず目の前でカットしてください(トラウマ)。まあ現地の詳しい衣食住に関しては別の期間限定在ガーナ邦人が書くと思うのでそちらにて。
我々の派遣先はNoguchi Memorial Institute for Medical Research(NMIMR)、日本語では野口記念医学研究所と呼ばれる施設です。こちらはガーナにて黄熱病で斃れた野口英世の功績をたたえ、約40年前に建てられた施設であり、つい昨年には新棟も落成しました。
▲野口研(旧)奇しくも我らがMDタワーと同じく中空の構造。
施設内のいたるところに野口英世の肖像画がかけられていたり、政府や企業からの協賛の品々が並んでいたりします。研究室はやはり40年前に建てられたということもあり、老朽化が進んでいます。一方の新棟は昨年竣工しただけあり、とても綺麗です。研究に使う機械類も最新のものが配備されており、質の高い研究に期待が持てます。もっともまだ古い棟からの移行が進んでおらずほとんど機能していないそうです。
▲野口研(新)すごい綺麗。周りはなんもないけど。
まあそんなこんなで慣れないガーナ生活を毎日送っているわけなのですが、一発目の記事ということで、研究の内容とか普段の生活みたいな堅苦しい内容よりも少しフランクなほうが良いかなと。なので、みんなで週末に旅行に行った時のことを少しばかり。
ガーナにおける主要な観光地はケープコースト城、エルミナ城、カクム国立公園、モレ国立公園などが挙げられますが、前半3つは(ガーナ基準で)割と近くにあるので、我々は週末休みを利用して旅行に出かけて来ました。ちなみにモレ国立公園も来週行くことになっていますがこちらはガチなフィールドワークです。陸路12時間とかって聞きました。嘘だと信じたい。
まずはじめにケープコースト城です。我々が滞在する首都アクラからは車でおよそ3時間。小さな村と草原が見飽きるくらいまで走り続けるとようやく到着します。ケープコースト城は奴隷貿易の際に奴隷を収容していた施設であり、負の遺産として知られています。しかし現在は観光地化されており、牡蠣の貝殻を使った白い塗装が印象的な美しい景観をなしています。入場料は学生40セディ(約800円)。ちょっと割高だなぁと財布をしまいながら思っていると、突然ガイドが現れ、40人ほどの観光客の束を相手におもむろに説明を始めます。こちらのケープコースト城では、現地ガイドによる強制的な観光ツアーが組まれ、城内の隅々まで彼らが案内をしてくれるのです。入場料は人件費だったわけですね。約1時間にわたる説明は分かりやすく、いろいろな知識を得ることができました。
▲ケープコースト城。一生懸命白い壁を塗り直している作業員を見ることもできます。
続くエルミナ城は、ケープコースト城とほぼ同じ歴史、ほぼ同じ外観を持つ城で、ガイドが付く点も変わりません。このガイド、とても写真を撮るのが好きらしく、あらゆるポイントで写真を進めてきました。さすがに女性奴隷が閉じ込められていた牢での撮影はどうなのかとも思いましたが楽しそうだったのでまあよいでしょう。
ちなみにエルミナ城周辺には貝殻売りと呼ばれる厄介な人々が存在します。エルミナ城に入る直前に観光客に寄ってたかって名前を聞き出します。現地ガイドの話をたっぷり聞いて、エルミナ城から出てくると、彼らは名前入りの貝殻を差し出してきます。「ほら、これ友達の印だからあげるよ、しかも友達だからさ、俺たちからお前らに送金してやるよ、Eメールのアドレスも書いてあるからよ、この紙にメアドとか色々書いてくれよな」的なことまくしたてられ、断ると殴りかからんばかりの威圧感で貝殻を渡してくるわけです。車に乗り込んでも、車のドアや窓を叩いたりしてくるレベルにはしつこい彼らには気を付けましょう。僕とOくんは貝殻を受け取りませんでしたが、Mさんはどさくさに紛れて貝殻を持って帰ってきていました。持ち帰った貝殻を改めて見てもまあいらないよね。
▲エルミナ城。のっぺりしてて綺麗だね
この日の夜は海辺のビーチホテルに宿泊しました。Google Mapを信用しないでね、というメッセージが届いていたのですが、本当にその通りでホテルに向かう道は途切れ、現地の住民に聞いてもぱっとせず、何度かのホテル側との電話とドライバーさんのコミュニケーション能力でようやくホテルにたどり着いた時には身も心もボロボロでした。車のサスペンション能力が意味をなさないくらいの凸凹道(土)を1時間以上も走っていたらまあそうなるよね。
夕食を食べ、ベットに倒れこむと疲れが襲いかかってきましたが、一日充実していました。
翌朝はホテルのビーチで遊び、海の良さを再認識したところでカクム国立公園へ出発。ここは巨大な吊橋で有名な場所です。急勾配な森の中を分け入って進み、歩くこと20分、ようやく吊橋が見えてきます。人一人がやっと通れるかのような狭さの板が無造作に網に吊り下げられている簡素な作りに、高さも相まって独特なスリルを楽しむことができます。我々の後ろにいたガーナ人はしきりに神に助けを求めて泣き叫んでいましたが、我々とその後ろにいたパキスタン人とで必死に彼を励まし、吊橋を渡りきった時にはお互いをたたえ合いました。我々は国を超え一つになったのであります。とまあ、そんなことがあったりして旅行は楽しく終わることができました。
▲カクムの吊橋。こんなのが10本ほど続きます。
▲道幅細いね。ちなみに70mくらいの高さ。
日本では見られない雄大な景色や体験、食、人々。いろいろな経験を積むことができた旅行でした。引率のH先生ご一家、本当にお世話になりました!
▲エルミナ城からの夕日。なんだか雄大だ。
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