干し柿

吾輩はSparidaeである。出番はもう無い。

3カ月ぶりの登場となります、インペリアルカレッジロンドン派遣生のSparidaeです。皆さん覚えてくださっているでしょうか。覚えていた方はもっと有益なことを覚えましょう。

9月に入りロンドンではもう完全に初秋の空気になっています。コートを着て歩く人も見かけるようになりました。

さて今回は他の派遣学生と同じく研究室・研究テーマと自分の生活の様子の紹介をします。

研究室の様子

まずぼくがお世話になっている研究室は毎年ではないものの代々派遣学生がお世話になっているところです。そのためか指導教官の先生は非常によく面倒をみてくださいますし、プロジェクトセメスターに対する理解も深くとてもやりやすい環境となっています。また研究室の修士・博士課程の学生やポスドクの方にもとてもよくして頂いております。

研究のテーマはコラーゲン受容体の制御機構です。皮膚をはじめとする様々な場所に存在するある特定のコラーゲン受容体を対象としているのですが、この受容体はがんの転移をはじめいくつかの疾患に関与していることがわかっています。しかし、コラーゲンによって受容体が活性化される詳しい機構はまだ十分にわかっていません。この機構を明らかにすることで、最終的には薬の開発などにも貢献することを目指して取り組んでいます。

研究室はNO TENNIS NO LIFEと同じく寮から近いキャンパスにあるので通学がとても楽です。朝は8時前ごろに起きて、9時から10時の間に研究室につくようにしています。夕方は17時から19時ぐらいまで実験などをしています。17時に帰るのがスタンダードなのか研究室の他のメンバーなども17時には帰ってしまいますし、17時を過ぎるとフロア全体でも一気に人が少なくなります。ちなみに研究室といってもオープンラボという形式なので、実験スペースとデスクが分かれているだけで、どこそこのグループの研究室というはっきりした空間があるわけではないです。

生活

平日は上述したように夕方まで研究室にいて、寮に帰ったあとはご飯をつくってシャワーを浴びて寝るという普通の生活をしています。キッチンは広くて使いやすいです。
水道から突如として水が出なくなったり(今改修中のようです)、洗濯機から水があふれてきたりと日本ではあまり遭遇しないトラブルにもたまに見舞われますがそれもまた人生といったところでしょう。

ちなみにこの前お米の袋を開けたら側面まで空いてしまって米粒がこぼれ落ちていきました。幸せみたいだと思いました。

一方休日はせっかくの機会ということでロンドン市内を観光するか旅行するかといった形です。ロンドンは美術館や博物館が多いので観光する場所には困らないです。帰国するまでにたくさんみておければと思っています。ロンドンの多くの美術館・博物館は入館無料なのでお財布に大変優しいです。

テートモダンという現代美術館にある『バベルの塔』という作品。ラジオが積み上げられています。

ちょっと生活費の話をすると、私自身がロンドンで1週間にかかる生活費は、ベースが40ポンド(およそ5200円)くらいです。(ただし家賃を除く)日本でいえば大学の近くでちょっと贅沢に生活するくらいでしょうか。内訳は携帯電話の契約が2.5ポンド(月10ポンド)、交通費が5ポンド前後(ただし通学するキャンパスによってはもっとかかります)、食費が30ポンド程度です。食費はスーパーに売っている日本では珍しい食べ物をついつい買ってしまうので少しかかってしまいますが、そういったものを買わなければ1週間分の食費が25ポンドくらいまで減ります。

ナツメヤシの実のデーツが売っていました。
高校の地理で習ったことを思い出し食べてみたのですが、味は干し柿に似ています。

ちなみにスーパーにはハラルフードやビーガン向けの食べ物を置いた売り場もあり、ロンドンの文化的多様性をうかがい知ることができます。
たまに買い物ついでに近所の公園をぶらぶらするのですが、人も犬も楽しそうで世の中にあふれる幸せを感じます。あゝ、人生。

旅行に行けばもちろんこれに加えてお金が吹き飛びます。そして油田がほしくなります。

7月に週末を利用して1泊2日のポルトガル旅行へ。
ユーラシア大陸最西端・ロカ岬の「ここに地終わり海始まる」と刻まれた石碑です。

北海油田。行ったわけではない。
　(https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/business/case/group/234 より)

家賃や航空券代金などの情報は過年度のものを学生派遣係が提供して下さっていると思うので、医科歯科の学生で興味のある方はwebclassの学生派遣係のページをみてみましょう。もちろん今年度の派遣学生に質問していただいても結構です。


残り二カ月も健康に気を付けて有意義に過ごせればと思います。
さよなら三角、また来て四角。
(今回でSparidaeの担当は終わりです。または来ない。ありがとうございました。)