Research in London
こんにちは、インペリ派遣勢のパパことピッピです。
インペリ勢5人は、一緒にご飯を作って食べたり、
美味しそうでしょ? |
思い出深いジャガイモ。 |
お休みに出かけたりと
先週はグリニッジに行ってきました! |
一緒に過ごすことが多く、まあ言うなれば家族のような感じです。
派遣生5人の中で、パパママ子供3人の5人家族の設定を作って楽しんでいるのですが、個人的にはなんとも絶妙な配役に感じるわけです。僕らのことを知っている方は、誰がどれなのか考えてみてください。世話好きなママ、しっかり者の一番上、気配りのできる真ん中、食べ盛りの一番下、といったところです。(ちなみに発案者はママ)
さて、このままだと話が脱線し続けそうなのでひとまず本題に入ります。今回はこっちに来てやっている研究に関連する話題について書いていきたいと思います。(みんなのことについては最後にでもかけたらと)
------本題-----
(1)まずは研究内容について。
ザクッと言えばCystic fibrosisという病気がどんなメカニズムで起こっているのかを研究しています。Cystic
fibrosisというのは、特に欧米でよくみられる病気(つまり日本ではあまり見られない)で、嚢胞性線維症という訳語が当てられています。塩素イオンのチャネルに異常が生じることで水分バランスが崩れ、粘液がよりねっとりするというのがメインの病態です。
http://www.momjunction.com/articles/cystic-fibrosis-in-children_00390268/#gref |
痰がねっとりすると気管支炎や肺炎、特にアスペルギルスによる持続的な感染が併発することが多いのですが、そのアスペルギルス感染の際のマクロファージの挙動を追うというのが今の研究のメインです。マクロファージにアスペルギルスを感染させてどんな炎症反応が起こるか、シグナル伝達のどのメッセンジャーが高いもしくは低いのか、なんてことを実験で明らかにし(ようと頑張っ)ています。実験手技としては、細胞(マクロファージ)培養、アスペルギルスの培養、siRNAトランスフェクションによるノックダウン、ウエスタン、ウエスタンの亜型、ELISAなどが主になります。もっと細かい研究内容が知りたいよって人は何らかの方法で連絡をください。画面右側にはメッセージとか送れる欄があるみたいですよ。
さて、私は実験ベースのグループに所属してこのような研究をさせてもらっていますが、このグループは工学部のグループと共同研究をしています。工学部のグループはモデリングを専門としていて、私の所属するグループの実験結果をもとに、先ほど書いた「アスペルギルス感染の際のマクロファージの挙動」をモデル化することを目指しています。モデリングの観点からどのような条件のどんな実験が必要か、またその実験は実施可能なのか、などをグループ間ですり合わせる合同ミーティングが来週の月曜日に設定されたのですが、そこでこちら側のグループのメインを任せてもらうことになりました。そのため今は実験の他に、これまでグループがすでに出している結果の整理とどこのパラメータをまず明らかにすべきかなどを必死で検討しています。
(2)研究対象の疾患はイギリス(ヨーロッパ)ならではだな、なんて感じるわけですが、研究環境もまた日本とは少し違います。
これは研究の環境というかお国柄、というべきなのかもしれませんが、こちらは「自由度」が非常に高いです。
(2)-1時間の面で見れば、何時にきて何時に帰ってもいいし、週何日来るかも自由(つまりは研究と臨床のバランスが自由自在)。自分で一週間をカスタマイズできます。日本でもできるにはできるのかもしれませんが、そうすることが当たり前、みんながやっている、という空気感がやはり違います。ワークライフバランス、働き方改革、なんてホットな話題と絡んで来る話になりそうです。ちなみにスーパーバイザーは来月2週間のオフをとると言っていました。まとまった休みでリフレッシュしたらまた研究にも精が出そうですよね。ただみんなリズムが違うため、「相談しようと思ったらもういない、、、、!」なんてこともしばしば。最近はあらかじめいる時間を把握するようにしています。
ひとつ聞いていた話と違うなと思ったのは、こちらの人は日本人みたいに長く研究(仕事)しないでさっさと帰っちゃうという話です。確かに時間に対する自由度は高いのですが、実際彼らはよく実験していますし、夜になっても残って実験している人もいます。臨床と両立したり子育てをしたりという関係でラボにいる時間が少ないということはありますが、毎日研究している人は日本の研究室と同じようなタイムスケジュールで動いている気がします。
(ちなみに僕は8:30-9:30の間に行って、実験して、どこかで昼ごはんの時間を少し確保して、17:00-21:00の間に帰るって感じです。)
(2)-2設備の面でもそうです。
日本と違って「研究室」という部屋で仕切られた区分はこちらにはあまりありません。実験する部屋もデスクももちろんあるのですが、「研究室」ごとにあるのではなく、学生実習室のような大きな実験室とオフィス(デスクが並んでる部屋)を「5人程度の研究グループ」が複数共同で使っています。
実験室 |
オフィス |
隣り合って実験したり隣の席に座っていたりする人が全く違う実験をしているということが普通です。そして、実験器具についてはフロア内での共有にとどまりません。自分のフロアにない実験機器は下の階のものを使わせてもらうし、そもそも自分の建物にないものは違う建物まで行きます。特別な機械だから、とかではなく、一般的なものでもです。ウエスタンで言えば一次抗体に一晩浸して置いとく場所は下の階のCold Room(部屋全体が4度になっている。ワクワクする。)だし、最後写真を撮るのにも下に行きます。ちなみに、Cold Roomは自分のフロアにもあるしシェーカーもあるんだけど、「下の階のやつの方がいい揺れなんだ!」と言って下の階のやつを使いに行きます。すごい。さらにはマウスは違うキャンパスにいるので器具を持って電車を乗り継いでキャンパスをまたぐわけです。そこにはマウス室みたいな場所があって、各グループで必要なマウスをあらかじめ申請しておくと、担当の人が用意してくれています。部屋に入るとケージがバーっと並んでいて、自分たちのグループの名前が書いてあるケージを探して実験を始めます。一つのケージに一匹のマウスが入っていて、ケージには自分たちのグループの名前の他には生まれた日や性別など、マウスの基本情報が書いてありました。ラボごとにマウスを飼っている日本ではなかなか見られない景色です。使わせていただくマウスの数は最小限にしなきゃいけないし、しっかり責任を持って結果に繋げなきゃいけない。そう感じました。
設備共有の話に戻ると、最初は不便に感じていましたが、全然知らない他のフロアの人と知り合える貴重な機会として今は楽しんでいます。
(3)勉強会?も充実しています。
似たような研究をしている人たちが集まって成果報告をする機会がこちらでは多いような気がします。しかも一つ一つがオープンセミナーのような形式を取っていて、かっちりしています。イベントのようにアンケート記入があったり、大講堂のような場所で巨大スクリーンに写しだしたり、企業のスポンサーがついていたり。だからたまに行われるイベントなのかなと思っていたら、自分の研究関連分野で週1回くらいはあります。多いですよね。
そして何より、こういう場所ではランチが無料です!いわゆるランチョンミートというやつです。フルーツにコーヒー、サンドイッチにスナック、ケーキなんかが置いてあり、いわば ”All you can eat, all you can drink” って感じです。タダでお腹いっぱい食べられます。素晴らしい!研究の待ち時間をこのセミナーの時間帯と合わせるようにして可能な限り参加しています!
しかも美味しい! |
-----本題終わり-----
本題、想定よりたくさん書いてしまいました。
それではさらっと我々家族の様子を紹介したいと思います。
その他生活のことはまた書きますね。
(1)パパとママはどんなに忙しくてもご飯の後に二人の時間を取る。
ここで色々なことを話したり、たまには駆け引きもしたりします。いい時間ですね。ただ最近は空いてなくてできないこともしばしば。残念。
(2)一番上の子が最近反抗期。「ゴマだれなんで買っといてくれなかったのーーー!」とフライパンを持って走り回ります。こっちにゴマだれはありません。
これ。 |
(3)真ん中の子と一番下の子、偏食がち。真ん中の子は一日ケーキしか食べないし、一番下の子はご飯にだし醤油だけかけて食べてる。でも確かにこれ美味しい。
賞味期限とは。 |
さて、どれが誰かわかりましたか?それでは!