春の☆動物モテスタイル!
南の大陸からごきげんよう。
カンガルーに追いかけられました、オーストラリア派遣生のホーリーです。
仁義なき戦い |
オーストラリアの国章は左にカンガルー、右にエミューというデザインで、最初に見た時にはなんてのほほんとした編成なんだ……普通国章や旗にはライオンとか鷲とかもっと強そうな動物を描くもんじゃないか……と思いましたが、冗談じゃない、こいつらは強いです。割とマジな脅威を感じました。襲われた経緯はのちほど。
国章(画像はWikipediaより引用)。前進しかしないという理由でカンガルーとエミューが デザインされているそう。おっかないので後ろを向いて引き返してほしかった。 |
さて、ダンシングクイーンの武勇伝に続きまして今回の記事では
・まさかの役者デビューの話
・研究の進捗の話
・タスマニアに行ってきた話
をします。
ANUシリーズ早くも第7回。積もる話がありすぎて長~くなってしまいますがご容赦ください。
・まさかの役者デビューの話
残念ながらスカウトされたわけではないです。
ANUにはいろいろな部活があり、派遣生もダンス部やバレー部など思い思いのグループに所属していますが、私はZa Kabukiという演劇グループに入りました。歌舞伎部です。
ここには日本人学生と日本語学習中の学生が所属しており、ANUの池田先生(Makikoの記事に出てきたJapan Clubのリーダーです。日本人学生、在留者に対していろいろなサポートをしてくださり、我々も大変お世話になっています)のご指導のもと10月の公演に向けて練習に励んでいます。
歌舞伎といっても女子学生も舞台に立てます。ありがたいですね。
渡航前からこのグループに関心があり、裏方でちょっと手伝ってみようかなと軽く考えていたのですが、諸事情で役に急遽空きが出たらしく、
なんと……
舞台デビュー☆
イエーイ
公演ポスター |
私は序盤で主人公に絡んで返り討ちにされるヤ○ザを演じます。
そこそこ喋ります。
実験の空き時間に研究所裏の川辺でちょいちょいセリフの練習をしているのですが、いかんせんヤの付く人の役なので大学構内でひとりオラついているヤバい状態になっています。
こちらに背を向け退散するイキリバト(先輩派遣生命名) |
河原で平和にメリーポピンズの曲を歌っていたころと比べ心なしか鳥さんに引かれている気がします。怖がらせてごめんね。
先日reicolnが記事にしていたgraduate ballの直前にも容赦なく練習があり、ドレスで長ドスを振り回していたせいでballに遅刻。とんだシンデレラヤ○ザです。
舞台を作るって大変。でも楽しい!
そろそろ衣装を着ての練習が始まるらしく今からワクワクしています。
そろそろ衣装を着ての練習が始まるらしく今からワクワクしています。
もし本番の写真が撮れたら誰かにinstagramに上げてもらいますね。待っててね。
・研究の進捗の話
私は派遣生であって北島マヤではないので、川辺で発声ばかりしているわけではありません。あくまで研究がメインです。
キャンベラはあまり栄えていないので誘惑がなく研究に集中しやすいです(好意的な表現)。
好中球細胞外トラップの様子を激写すべく粘り強く免染を続けていた甲斐あってか、いい感じの画像も手に入りました。染色条件なんかも手探りで中々先に進まずもどかしい思いもしましたが、それでも少しずつ状況はよくなってきています。論文で見つけた試薬や+αの手順なんかもどんどん試させていただけてやる気が出ます。
ただ、肝心の血小板がどう頑張っても染まらず、ひょっとしてこれは抗体がワークしていないのでは?という疑惑が生まれてきました。今先生に新しい抗体を注文していただいたところです。血小板、恐ろしい子!今度こそ写ってくれないと困ります。
我らがラボは昨年まで少人数だったはずが、今年は大量のHonor studentsによりグループの構成がカンボジアの人口ピラミッド状態になっているので、先生が本当にお忙しくたまに私が先輩学生に実験を教える状況が生じています。
1998年のカンボジアの人口ピラミッド(総務省統計局より) Ph.D学生と違ってHonors達はたぶん私達と同じぐらいの経験値なので 先生は時間がいくらあっても足りないといったご様子 |
頼られると調子に乗る性質なのでまんざらでもない顔で教えています。
突然の追加実験に先輩学生の表情はちょっと死に気味です。彼らも11月に論文提出なので皆必死です。負けずに頑張らなきゃ……!
ところで、ラボメンバーが自分の誕生日に自分でケーキを持ってきたので、「オーストラリアではこれが普通なんですか?」と聞いたらそうではなく、うちのラボ独自の風習だそうです。謎ですね。
私のラボは和やかティータイムに恵まれているので、先輩学生には「あなた食べている時はすっごくニコニコするのね!正しいラボに来たと思う」なんて言われています。わーい。食い意地張っているのがバレちゃいました。
・タスマニアに行ってきた話
8月末にタスマニアに行ってきました。キャンベラからはメルボルン経由になるので、前回の派遣生旅行に引き続き再びメルボルンにも滞在しました(メルボルン好きすぎ問題)。
タスマニアに行く!と吹聴したところ、「よくもまあこんな寒い季節に好きこのんで…(by先輩学生)」「私も行ったことないわ(byオージーの先生)」「本土と何が違うのw(by寮の住民のお兄さん)」と各方面から若干塩なリアクションを返されましたが
最高でした
あんまり文字にすると美しい思い出が褪せてしまいそうなのでここからは写真メインで失礼します。手抜きではありませんよ。本当にそう思っているんです。
州都ホバート。ゆったりとした空気の流れる港町 オーストラリアの都市のフンイキをむりやり日本に当てはめるなら...... シドニー:横浜(みなとみらい)メルボルン:強いて言えば神戸 キャンベラ:筑波研究学園都市 そしてタスマニア州は北海道っぽくホバートは函館みたいな(個人の感想です) |
保護施設のタスマニアデビル |
海沿いなので、シーフードのおいしさは内陸のキャンベラとは比べ物になりません |
土曜朝に開催されるサラマンカ・マーケットにて、バグパイプの演奏 |
北部の世界遺産クレイドル・マウンテン。reicolnの美麗写真をもってしても 壮大さが伝えきれない......実際に見てほしい......! |
タスマニアにしか住んでいない小さな動物、パディメロンさん 血眼でウォンバットを探しましたが改めて考えるとこの子が一番かわいかった気がします |
ドライブ中に見えた美しい虹 |
こちらはメルボルンの聖パトリック大聖堂。荘厳 |
南半球一高い展望台、ユーレカスカイデッキから見たメルボルン市内。 私の免染もこのぐらい綺麗に染まればいいのに |
ただ冒頭で書くと言ったのでカンガルーに襲われた経緯だけ書いておきます。
我々はボノロング野生動物保護施設というところを訪れ、タスマニアデビルやウォンバット、コアラにハリモグラといったオーストラリア固有のかわいい動物たちに癒されていたのですが、その中にカンガルーが放牧?されている区域があり自由に餌付けができました。
モテモテ でもどうせ餌目当てなんでしょ!ばか!もう知らない! |
このカンガルーたちは人間が餌を持っているということをよーくわかっているので熱烈なアプローチをしてくるというわけです。
マジで怖いです(この一件で私のカンガルー観にはだいぶバイアスがかかっていますが普通にかわいいというのが大方の意見だと思います。たぶん)。
奈良公園の鹿みたいな感じ。
この記事をお読みの後輩のANU派遣生のみなさん、研究を頑張った合間の小旅行は是非、タスマニアに行ってください(圧力)
最終日はreicolnと二人でメルボルンに滞在しましたが、既にメルボルンを味わい尽くしている我々は街中パワーワード探しといったしょうもない遊びの他、日本食レストラン巡りに時間を費やしていました。
キャンベラは日本食レストランに乏しく、久々のオーセンティックな日本食に胸がいっぱいになる私たち。
豪州滞在も折り返し地点を過ぎ、はじめはどこへ行こうが案外やっていけるものだな、どこにいようが自分は自分、何も変わるまいと強気に構えていましたが、故郷を離れ、慣れない食事をし、親しい人にも会えない環境がもたらす宙ぶらりんの感覚に無意識のうちに心を支配されていたようです。
勝手知ったるコミュニティを離れ全く知らない土地にしばらく暮らすことで、私にとっても代わりのきかない特別なものは確かに存在するんだなとやっと気づきました。
郷愁のホーリー |
郷愁のreicoln |
留学っていいね。
ときどき寂しくなることもありますが、カンガルーのごとく前だけ向いて、残り2か月と少し、駆け抜けていきます。
次回は私たちと打って変わって北部のトロピカルな街(北が暑くて南が寒いというあべこべな状況にも慣れてきました)に行くメンバーが更新します。お楽しみに。
以上、卓越留学移民のホーリーでした。
メルボルン中華街にて見つけた「卓越留学移民」の看板。 めちゃくちゃツボっていました。みんなで卓越しような! |
おわり
コメント
コメントを投稿