奴の名は。

 ある週末、私は自転車に乗って出かけようと思い、寮の駐車場を通過していた。Lazyな私は自転車に乗りながらヘルメットを被ろうとしていた。(オーストラリアではヘルメット着用が推奨されている)
 その瞬間、奴は私を襲ってきたのだ。私の後頭部を激しくつつき、翼で激しく叩いた。たまたま機嫌が悪かった私は、奴を目掛けて自分の後頭部を激しく叩き、追い払った。ところが、邪悪な生物は逆切れしてさらに私に攻撃を仕掛けてきた。結局私は、ものすごいスピードで自転車の向きを変え、奴の元から去った。本当ならば、ヘルメットなどで地面に叩きつけたかったが、理性のある私はそれ以上の攻撃を加えなかった。
 なぜなら、奴はオーストラリア固有の生物として、守られているからである。外国人である私よりも身分が高いのだ。彼らを傷つけることは条例で認められていない。いくら人を傷つけても。

奴の名前は マグパイ という。
日本語ではカササギフエガラスといい、実際に笛のように鳴いている。スズメ目フエガラス科に属する。オーストラリア及びニューギニア島南部に分布する。
春になると(オーストラリアでは9月、10月)、巣に卵を持つため、彼らは攻撃的になる。誰もマグパイの卵なんていらないのに、被害妄想によって人を襲うのでる。中には目をつつかれて、失明する人もいるそうだ。それでも、「目には目を」を適用できないとは、、、。動物にやさしい国とはこういうことを指すのかもしれない。
まあ、顔を覚えられていないことを願うのみである。仮に覚えられていたとしても、あと1カ月でキャンベラを去るし、次にキャンベラに来ることがあっても、その時には既に奴は死んでいることだろう。

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