Another Day of Sun
こんにちは。アメリカ生活も残り3週間となりました。チロルです。
Wish listも随分こなすことができて、残すところcasinoくらいかなと。
Los Angelesに向かう飛行機の中でLa La Landを観ながら、これから始まる生活にワクワクしていたのが随分前のことのように感じます……(笑)
5ヶ月もいると、思った以上に友達がたくさんできました。うれしい限りです。
私の所属する研究室には毎年イギリスのUniversity
of ManchesterとアイルランドのQueen’s
University Belfastから総勢12名の留学生が1年間研究留学でやってくるのですが、
今年はなんと12人中10人が女子!(日本だとありえないですね。)
5ヶ月の研究留学もそろそろ終わりが近づき、しみじみするのと同時に、とても貴重な経験をさせていただけたことへのありがたさを日々感じております。
そして、このような機会を与えてくださった先生方に対する感謝の気持ちでいっぱいです。
実にたくさんのことを学ぶことが出来ました。
本当にありがとうございます。
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ところで、先日10月26日は“NEVADA
DAY”ということで金曜ですが祝日でした(^^)♪
プレミアムフライデーみたいな感じで、毎年10月最後の金曜が休みになるそうです。
私はUNRがInternational
students向けに開いていたイベントに友人と参加し、Apple
hillに行ってまいりました!(for
free)
まさか3年ぶりにまた同じところに行けるとは(North
Californiaにあります)
まさに秋って感じですね。
日本に帰る頃には、まだ紅葉シーズンが終わっていないことを祈っております。
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さて、発表に必要なデータもようやく全て集まり、実験は無事終了して無事発表に臨むことができそうでホッとしています。
およそ4ヶ月ひたすらに同じ実験を繰り返す中で、自ら立てた仮説を証明することの難しさ、他人を説得させるために必要なデータを十分に集めることの大変さ、毎日同じ作業を繰り返すための忍耐力などを経験し、
そして何より、辛抱強くかつパッションをもちながらひたすらに研究に励む研究者の方々に対する尊敬の念は常に抱かずにはいられませんでした。
研究生活は決して楽ではなく、息切れしそうな時期もありましたが、2週間いただいた夏休み期間にリフレッシュできたおかげでしょうか、その後は順調でした。
初めはUniversity
of Manchesterから留学していた学生に手取り足取り教えてもらっていましたが、その後独り立ちするようになってからは思うようにいかないことも多く、細かい作業が多いのでforcepsを上手く使いこなせない時期はマウスに対する申し訳なさばかりを感じていました……。
さらにはsupervisorの先生が“親切”にかつ“厳しく”指導してくださるおかげで、泣きっ面に蜂状態になったこともありました(今となってはいい思い出ですが笑)
しかし、ほぼ毎日晴天、Reno全体に広がる真っ青な空は、そんなブルーな気分をいつも一瞬で吹き飛ばしてくれました。いつもありがとう(uωu)♪
これまで学校で学んできた知識だけでは全く理解が追い付かないので、論文をたくさん読んだり、supervisorの先生に教えていただいたりしながら知識を整理しつつ、自分の研究内容を理解するには時間がかかりました。
また、実験で得られた結果に対し自力で考察することで考え抜く力をひたすらに養うことが出来たと思われますが、
これまで2年間medical
schoolで、いかに自分が受け身の姿勢で授業を聴講し、定期試験に向けてただただ知識を詰め込む中で、自分が“いかに頭を使っていなかったか”ということをこれでもかという程に痛感しました……。
そして、Supervisorの先生には本当に感謝しています。(初めは厳しかったですが……)
日本人の消化器内科専門医の先生なのですが、研究室ではお互い英語で話します。
Renoに着てすぐの頃はわからないことだらけで、得られた結果から自力で考察できないとすぐに先生に質問してしまいがちでしたが、
「そうやって日本人の学生は答えだけ求めて質問する。もっと自分で考えてから質問しなさい」
「生理学をまだ習っていないの?」
などと怒られることもしばしば。
涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえ、悔しさをバネにし、懲りずに辛抱強く研究を続けさせていただいたことで、surgical
skillも考察力も徐々に向上し、努力を認めていただけるようになりました。
何よりとってもタフになりました!
先週末全てのデータを取り終え4ヶ月に及んだ実験が終了した際にはねぎらいの言葉をいただき、お互い将来の夢などについて語り合い、深イイ話をするまでの仲になりました(笑)
先生は、研究内容だけでなく、医師のキャリアパスについて、アメリカで研究をするということについて、さらには研究に対するバッションなど、隙間時間に様々な話をしてくださいました。
お忙しいのに、時に私の実験の一部を手伝ってくださったことには本当に感謝しています。
これまで米国で研究をしてきた中で学んだことをいくつかご紹介します。
・Try
and Error
臨床と違ってミスが許される、むしろ歓迎されるとのこと。
投与するアゴニストやアンタゴニストの量を変えてみたり、muscle
stripsの作り方を変えてみたりなど、うまくデータが得られずスランプに陥った際にいろいろ試させていただきました。
・既存の知識にとらわれない
教科書に載っていること、これまで正しいと思われていることは必ずしも正しいとは限らないので、盲目的に信じてはいけないということを学びました。
これは私が実験をする中で得られたデータがこれまで学んだ知識から予想されるものと異なったため、supervisorの先生に尋ねた際言われたことです。
・人的ミスが多い
自分が使う予定だったマウスを他の人に取り違えられるなんてことは何回か起こりました。こちらでは日本だと起こり得ないような人的ミスはしばしば起こります。
でもこちらの人々は合理的で未来志向なので当事者を責めるようなことはしませんし、本人も「ごめんねごめんね~」という感じでケロっとしています。
次間違えなければいいだけの話なので。
そのように人的ミスが多いため、Amazonなどのオンラインシステムがこれほどまでに発達しているのだとか。
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<おまけ その1>
そこで今後留学を考えている方に、派遣先の選び方について少しアドバイスをしたいと思います。
(該当しない方はすっ飛ばしていただいて構いません。)
まずは日本に残って研究をするか、勇気を出して異国の地で研究に励むかで悩まれるかと思いますが、
私が思う長期間海外に滞在できることのメリットとしては、コミュニケーション能力が身に付く(自分の努力次第ですが)、文化の違いをこれでもかという程学べる、語学力が伸びるなどですかね。
また、研究のReportやAbstractを全て英語で書くという経験を一度しておけば、いつか将来Paperを書くとなった際に必ずやアドバンテージになると思います。
日本語で書くのとは全然違いますし、使う言葉が違えば考え方も異なります。
それからデメリットとしては、日本の友達に会えない、プロ野球の試合がリアルタイムで見られない(アメリカは時差が16時間なので、寝ている間に試合が始まって終わる)、花火大会に行けない、出費がかさむ(奨学金はいただけますが、飛行機代や生活費は実費)などですかね(笑)
5ヶ月というのは短いように見えて実際に滞在しているとすごーーーーく長く感じます。
ですから、後になってこんなはずじゃなかったのにと後悔しないためにも、派遣先選びは慎重に。(もちろん希望通りの場所に行けるとは限りませんが……)
選ぶ基準として、土地柄や気候などの環境要因(これは結構大事です)、受け入れ人数、留学先の研究室の環境、旅行に行きたい場所などで決めてしまってよいのではと思います。
ではまず、なぜ私がReno(アメリカ)行きを選んだかについてです。
①気候
寒いのが嫌い、雪はもってのほか、雨と湿気が多いのはいやだ、夏がないのはつらい、秋もほしいといった理由でアメリカ一択でした。
Renoの気候ですが、日本より乾燥している(蚊は現れない)、高度が高い(標高1300m)という点は異なるものの、気温はそんなに変わらないように思います。
ただ、日差しは強いです。(サングラス必須)
乾燥しているおかげで夏は熱帯夜になりません。
日中30℃以上まである気温も夜は20℃近くまで下がります。A/Cなくても寝られます。
ただこちらの方々と我々は体感温度が違うため、研究室や家ではエアコンの温度がデフォルトで20℃くらいです。。
初めはよくルームメイトと寒いだ暑いだなどと言ってもめました笑
無事雪が降る前に日本に帰ってこれそうです^^
(昨年はRenoに大雪が降ったそうです)
②人数
ご存知のとおりRenoの受け入れ先は2人です。
日本人はキャンパス内にほぼ会うことはないので、誰かに頼ることはできず、困ったことがあるとほぼ自力でなんとかしなければなりません。
渡米前の私の英語力は全く持って人に誇れるレベルではなかったので、派遣人数はできるだけ少ない方が良いのでは判断しました。結果良かったと思っています。(もちろんもう一人の派遣生に助けられたこともしばしば)
心配しなくても5ヶ月もいれば語学力はかなり伸びます。
(渡米前に比べると雲泥の差だなと感じる日々です。)
特に私は、将来のUNの機関で働きたいという夢が有るので、語学力の向上、異文化に対する理解は必ず必要となってきますし、様々なバックグラウンドを持つ人とのコミュニケーションをとること、自分の意見をはっきり述べたり、堂々と反論したりすることに慣れていかなければなりません。
以上のことが、5ヶ月の滞在でいくらか達成できたのではと感じます。
また、昨年の先輩方と全く同じ研究室に配属されるので(次の後輩も恐らくそうなります)、事前に研究室の雰囲気を知ることが出来た点も良かったです。
③土地柄
Renoはネバダ州では2番目に大きな都市であり、決して大都会とは言えません。
東京と違って手を伸ばせばコンビニやスーパーがあるわけではありません。
私は地方で育ったので慣れっこでしたが、もう一人の派遣生は都会っ子なので初めかなりカルチャーショックを受けていました笑
Renoは典型的なアメリカの街といった感じで完全なる車社会です。なのでスーパーに行くにしても、どこか遊びに行くにしても車がないと何もできません。
(チャリは1台あるので来年以降の学生さんどうぞ使ってください)
ちなみに、UberとLyftは24hそこら中に走っているのでご安心を!
そこで、コミュニケーション能力がすごく大事になってきます。
友達を作れるかどうかでこのRenoライフが良くも悪くも決まってくるといっても過言ではありません。
それからアメリカの学生はほとんど皆アパートメントで共同生活をしています。(2~4人で一部屋、キッチンやリビングは共有で、自分の部屋は個室といった感じです)
その点も日本とはちょっと異なりますね。
どんな学生と住むことになるかは正直運次第です。
(もちろん探せば他のタイプのお家もたくさんありますよ)
たとえギャンブルでも私は共同生活がしたかったのです。
④旅行
私は西海岸に行きたいところがたくさんありました!
(実際、Los
Angeles, San Francisco, Seattle, San Diego, Yosemite National Park, Tahoe,
Truckyなどいろいろ赴きました)
とくに私はLA
Dodgers stadiumにて実際に試合を生で観てみたかったので、その夢が叶ってうれしいです。しかも幸運なことにマエケンが登板する試合を観られたので満足です♪
以上をまとめると、アクティブな方、コミュ力に自信がある方、もしくはこれからもっとコミュ力をつけたいと考えている方に向いているのではとないでしょうか。(あくまで主観ですが)
先ほども書きましたが、もちろん一番に希望した場所へ行けるとは限りません。
ですが、以上に書いたようなことを考慮しながら希望先を選ばれると良いのではと思います。
また、ご自身の選択に後悔することのないよう、できるだけ多くの学生に話を聞くことをお勧めします。少数だとかなり情報が偏ってしまいますので。
海外派遣生である4年生は誰でも親切に答えてくれると思います。
気になることがあれば、恐れずにどんどん質問してみましょう。
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<おまけ その2>
5ヶ月弱こちらで過ごして気づいたことについてお話します。
・自分の意見に自信がある
アメリカの学生はIndependentという印象が強いです。
たとえどんなに自分の意見が間違っていようとも、決して主張を曲げないこともしばしば。
それでも、自分の非ではないなと感じた時は「It’s
not my fault. It’s your fault」とこちらも負けじと言い張ります(笑)。
しっかり意見を言い合うことで解決することもたくさんあるのです。
日本では自分の意見を主張することはやや憚られますよね。
しかしこちらでは日本人だからと言って遠慮していると、自分が損をするだけです。遠慮したら負けだと私は思っています。
海外においては「言う」ということがすごく大事です。
言わないと正直伝わりませんし、言わないと空気と同じです。
・こちらの人は切り替えがうまい
毎日研究熱心に頑張ってるなーと尊敬の念で見ていたPhDの学生が、週末はお家パーティーではっちゃけていたり、小旅行に出かけたり。みんな本当にアクティブだなあと。
日本では休む人書いて“休日”ですが、こちらの人のweekendはholidayって感じです。
・何もかもが大きい
家のサイズ、車のサイズ、食べ物のサイズだけでなく、イヌのサイズも大きいです。
お家パーティでは皆よく自分の犬を連れてきますが、シベリアンハスキーレベルの犬が家の中に4匹くらいいることもありました。
私の大好きなトイプードルは見かけたことがありません。
・物価
やや日本より高いのかなあと思います。こちらでは何でも大量買いがおすすめです。
私もよくスーパーで買い物をするときはでぃーちゃんと肉や魚などをshareしています。
量が多いので(笑)
・何でもあり
日本だとcolor
runはうぇいな学生だけが参加するイメージですが、こちらではベビーカーに乗った赤ちゃん、イヌ、ご老人など幅広い人が参加していました。
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恐らくこれが私の書く最後のブログになると思われるので、総括のような形になってしまい、長くなってしまって申し訳ないです。(次はでぃーちゃんが書いてくれるはず)
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
このような貴重な経験を無駄にすることの無いよう、これからもたくさん精進してまいります。
それでは。また日本でお会いしましょう。
(下級生の皆さん、質問があれば遠慮なく聞いてくださいね。)
チロル